ついに!数字嫌いが克服できる
2018年6月1日発行
A5判/本文32頁
今期の売り上げ目標は10 億円!などといった数字をグラフにして、社内の壁に張り出している会社もあると思います。しかし、会社が期待しているほど、実のところ社員のみなさんはこの数字にピンときていないものです。
それはなぜなのか。
たとえば、我が国の2018 年度の防衛予算は約5兆円です。今とは物価も違うので一概に比較はできませんが、50 年前に起きた日本犯罪史において最も有名な犯罪の一つ「三億円強奪事件」を思えば、現代の貨幣価値とは関係なく単純に割り算をすると、45 年間も毎日事件が発生しているような金額です。それでもまだピンとこないかもしれないのは、数字に表わされている金額のケタが日常にある身近な数字ではないためです。
会社の売り上げ目標の数字も同じであり、社員の一人一人が個人生活レベルの金銭感覚で理解できる数字に置き換えたほうが訴求力が増します。
つまり、月給30 万円というよりも、1時間あたりの時間給はいったいいくらなのかを社員に教えてあげたほうがよいのです。週40 時間勤務で、1時間1,500 円の社員なら1週6万円、1ヶ月24 万円になります。1時間2,500 円の管理職なら、1週10 万円、1ヶ月40 万円ということになります。
時間給を意識できるようになれば、情報共有の名を借りた無駄な雑談会議も、数百円、数千円の損失を会社に与えていることになってしまっているかも…と反省し認識しやすくなります。
「数字に強くなる」とは、まず自分自身に直結する給料に対して労働生産性はどの程度なのかを再確認することから始まるのです。
しかし、「数字、数字ってほんと毎日ウザい!」、と思っている社員の方が多いのが現実でしょう。
ギリギリ、給料のことや時間管理のことを理解できたとしても、「管理職たるもの決算書、損益計算書、貸借対照表、損益分岐点、経常利益など、読める把握しておくことが必要だ…」、「ムリ、ムダ、ムラを排除するために、在庫管理と定例の棚卸しはしっかりするように、具体的には…」などと、おキマリの経理用語を並べ、業務管理のための基本部分の説明だけなのに、次第に意識は遠のき、いつの間にか、あろうことか居眠りをしてしまう人もいます。
本当に困ったものですが、「集中力が足りない!」「たるんでいる!」「真剣味がない!」などと叱責したところで、「数字嫌い」の社員がいきなり「数字好き」になるわけでもありません。
そこで、本書では、「仕事に必要な数字」といっても、「頭の体操となる数字のクイズ」を取り上げ、計数感覚を身につけてもらいます。
一般社員、数字が得意ではないという管理職の方には特に取り組んでいただきたいと思います。